はじめに:データ分析って、“統計学の勉強”だと思ってない?
「データ分析って、理系が得意なやつでしょ?」
「Python? 聞いたことはあるけど、数学得意な人の世界じゃないの?」
もし今これを読んでいて、そんな印象を少しでも持っているなら──この記事を読む価値があると思います。
私が広告代理店に入社したばかりの頃も、同じようなイメージを持っていました。データ分析と聞くと「回帰分析」「分散分析」「相関係数」といった“統計学”のワードが真っ先に思い浮かび、数字に強い理系学生が得意とする領域だと思っていたのです。
でも、実際のビジネス現場で求められる「データ分析」は、そんなアカデミックなものとはまったく異なるものでした。
私が体感したのは、「数字を使って、“納得感のある提案”ができる人」が一番強いということ。
それは統計学の教科書には載っていない、“現場視点のデータ分析力”でした。
この記事では、そんな私の実体験をもとに、「広告代理店で求められた“データに強い人”とはどういう人か?」「どうやってそのスキルを身につけたのか?」について、できるだけリアルにお伝えしていきます。
対象は、以下のような人たちです:
- 「データ分析スキルを”強み”にしたい」と思っている就活生
- 「文系・非エンジニアだけど、ビジネスで使えるデータ分析を身につけたい」若手社会人
- 将来的に副業や転職を見据えて、今のうちに武器を手にしておきたい方
本記事の終盤では、私自身が学習に活用したオンラインスクール【TechAcademy】の紹介も行いますが、いわゆる“アフィリエイト記事”ではありません。あくまで、実務で「データに強い人」がどうやって評価され、どんな思考を持って動いていたかを伝えることがメインです。

特に、ビジネス現場における”データ分析”を理解できないまま、就活で「自分の強みは(データ)分析力です!」と声高らかにアピールしては、玉砕している学生を沢山見てきました。

本記事を通して、いわゆる単なる「統計」とビジネス現場における「データ分析」の違いを理解してみてください!
筆者の経歴とこの記事のケイパビリティ
まずは簡単に、私のバックグラウンドをご紹介させてください。
私は現在、総合広告代理店で統合メディアプランナーとして働いています。これまでに手がけた案件は数十億円〜数百億円規模のものが多く、クライアントのマーケティング戦略設計から、クリエイティブ・PR・メディアなどを横断した一貫型プランニングを担当してきました。
戦略設計を得意とする一方で、キャリア中盤から「Python」などのスキルを独学で学び、基盤開発局の先輩と連携して実務でも活用。現在はフロントラインで、チームリーダーとしてデータドリブンな戦略設計を主導しています。
この記事では、いわゆる「エクセルだけで広告分析していた人間」が、どうやってPythonを使いこなすようになり、提案内容の質やスピードを高めてきたか、具体的な実務視点で書いていきます。
特に、以下のような“壁”に心当たりがある人には、きっと参考になるはずです:
- 意識調査の結果を読んでも、KPIをどう設計すればいいのかわからない
- Excelでレポートは作れるけど、そこから何を提案すればいいか詰まってしまう
- データ分析といっても、なんとなくグラフを作って「わかりやすくしました」で終わっている
実際、私自身がそうだったからです。
でも、ほんの少しだけ「データの向き合い方」を変えたことで、クライアントへの提案の説得力も、社内でのポジションも、大きく変わりました。
“広告代理店の現場”で求められた「データに強い人」
広告代理店、とりわけメディアプランナーという職種において、「データに強い人」とは何を意味するのか。
それは、ズバリ「ビジネス判断に必要な視点を、データから導ける人」です。
これ、聞こえは当たり前に感じるかもしれませんが、実際には非常に難しい。たとえば、次のような会話が社内やクライアントとの打ち合わせでよくあります。
「この広告、効いてるんですか?」
「KPIは改善したけど、それって本当に施策の効果?」
「どの媒体が一番効率よかった?」
「そもそもKPIって、何を重視すべき?」
これに対して、「広告認知率は◯%で、企業好意度は△%でした」と“事実”だけを読み上げるのでは足りません。
求められるのは、「その数字が、どういうビジネス上の意味を持つのか?」を言語化できる力です。
私がまだ右も左もわからなかった頃、先輩からこう言われたのを覚えています。
「分析結果じゃなくて、“意思決定を支える材料”を持ってこい」
当時の私は、調査結果をグラフ化してPowerPointにまとめることで満足していました。でもそれは、単なる“報告作業”だったんです。
本当に必要なのは、「このデータからこういう仮説が立てられる。だから次にこう動くべきだ」という“提案の土台”でした。
「数字が読める」って、どういうこと?|現場で重宝されたスキルとは
「数字が読める人になれ」とよく言います。でも実際、“読めてる”ってどういう状態なのか?
現場で評価される「数字を読める人」の特徴は、以下のようなものです:
① 数字の背景にある“構造”を把握できる
単に数値の増減を報告するのではなく、「なぜそうなったのか」を因果構造で語れる。
例:企業好意度の上昇が、広告接触によるものか? それとも他要因か?
② KPIの“優先順位”を判断できる
すべてのKPIを均等に見るのではなく、事業のKGI(ゴール)に最も寄与する要素に注目できる。
例:認知率がすでに高いなら、次は“好意形成”や“検討意向”が鍵になる。
③ 施策の意思決定につながる“示唆”が出せる
データから導いた知見を、戦略に落とし込むことができる。
例:データ分析をもとに、マス中心からデジタル中心へとメディア配分を最適化。
ビジネスで使える“データ分析”の思考回路|統計とは違うんです
「データ分析」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、平均値、相関係数、回帰分析など──いわゆる統計的なアプローチでしょう。
でも、ビジネスの現場では、それ“だけ”では役に立たないというのがリアルです。
たとえば、就活生が「大学のゼミで回帰分析を学びました!」とアピールしても、それだけでは実務で通用しません。なぜなら、広告代理店や事業会社で求められるのは、「意思決定を支える仮説を、データから導く力」だからです。
実際にあった話①:表面的な結果ではなく、“構造”を読み解け
ある意識調査で、広告接触後の「企業好意度」が大きく伸びているデータが出ました。
でもクライアントはこう言いました。
「で?好意度が伸びた理由って何なの?メッセージが良かったの?出演者?媒体の相性?」
正直、当時の私は答えられませんでした。調査設計自体がそこまで深くなかったというのもありますが、本当の理由は“仮説思考”が足りなかったこと。
それ以来、私は以下のように考えるようになりました:
- KPIは何か(例:企業好意度)
- それを動かす変数は何か(例:出演者、メッセージ、接触媒体)
- それぞれの変数が、どの程度貢献したか?
こうした構造的な視点が持てるようになったとき、「分析できる人」ではなく「戦略を考えられる人」になれた実感がありました。
実際にあった話②:“統計処理”よりも“見せ方”の工夫で差がつく
あるとき、「広告接触者と非接触者で態度変容が起きているか」を比較する分析を任されました。
エクセルのピボットで処理することもできますが、Pythonで“非接触者=1”を基準にして、各媒体のリフト率(態度変容の上昇幅)を一括で可視化。
これをスライドに載せて、「一目でどの媒体が好意形成に強かったか」がわかる形にしたところ、クライアントの反応が激変。
「あ、この図、来週の役員会でも使いたいです」
統計的に高度な分析ではなかった。でも、「データを誰が見てもわかる形で伝える」ことに価値があったのです。
Pythonを学んで得た3つの変化|“理解”→“提案”→“自動化”
私は文系出身で、もともとプログラミングには一切縁がありませんでした。
でも、広告代理店での業務を通じて、独学でPythonを学び始めた結果、次の3つの変化を実感しました。
① データの“意味”を自分でつかめるようになった
Pythonでデータ処理を始めると、「この指標は、どうやって定義されてるんだろう?」という視点が自然と身につきます。
例えばリーチ率や態度変容率なども、自分でロジスティック関数を使って曲線フィッティングをし、出稿金額と効果の関係を可視化できるようになりました。
それによって、「どの媒体にどれくらい予算をかけるべきか?」というメディアプラン全体の設計にも関われるようになったんです。
② 提案の“説得力”が変わった
それまでの私は、エクセルで集計したデータを「なんとなく」プレゼンに使っていました。でも今では、「このKPI構造は、共分散構造分析で見るとこうなっていて、企業好意形成に最も寄与する変数はこれです」と、定量的に語れるようになりました。
クライアントからの評価が上がり、上司からも「お前が説明した方が早い」と言われることが増え、気づけば大型案件の戦略設計チームにも参画できるように。
③ レポート作業が“自動化”された
Pythonで一度テンプレートを組んでしまえば、次回以降はCSVを読み込ませてワンクリックでレポート出力が可能に。
週次レポートや月次分析にかかる工数が1/5以下に圧縮されました。
なぜPython?Excelじゃダメなの?
私自身、最初はExcelでの分析で十分だと思っていました。PivotTableで集計し、VLOOKUPで突き合わせ、グラフを描いて社内報告。たしかに最低限の分析や報告は、それで十分です。
でも、ある壁にぶつかりました。
Excelの限界①:手作業の繰り返しでミスが増える
同じような作業を毎週やっていると、次第に「またこれか…」という疲労感に襲われます。そしてコピペや関数ミス、行のズレなどで地味なミスが発生します。
でも、Pythonなら一度スクリプトを書けば、「実行ボタンを押すだけで、数百行の分析が一発」。修正にも強く、属人化もしません。
Excelの限界②:高度な分析に進めない
最適な広告予算の配分や、態度変容のリフト分析、成長曲線(ロジスティック回帰)など、マーケティング戦略の中枢に関わるデータ設計には、Excelではやはり限界があります。
Excelの限界③:分析”だけ”に膨大なリソースを割かれる
データ分析には、「設計→分析データの収集→分析→考察など」、やるべきことが膨大です。
「設計→分析データの集計→分析」までを毎回Excelでやっていては、毎回関数を組み直す必要もありますし、無駄なリソースを割くことにつながります。
“データ分析に強い人材”は、Pythonを活用し型化してしまうことで、一瞬で分析を終わらせ、最も重要な「考察」のために、時間を充当させることにフルコミットしています。
「戦略設計に関われる人」と「集計だけの人」の違いは、ここで生まれるのです。
それでも「文系だし…」と思う人に伝えたいこと
実は、私も大学では完全に文系、統計もプログラミングも触れていませんでした。
でも広告代理店での実務を通じ、「これって自分で計算できた方が早いし、正確だな」と思うようになったんです。
最初は「黒い画面」にビビってました
Pythonを始めるとき、最初に開いたのはGoogle Colab。見た目は“黒い画面”、直感的に「これ、自分には無理かも…」と思いました。
でも、ネットで見つけた「CSVを読み込むコード」をコピペしたら、一発でエクセルが読み込めた。
「えっ、これだけでいいの?」
ここから、一気にハードルが下がりました。
Excelの延長線上にある、それがPython
特別なプログラマー的思考ではなく、“データを整える”、“集計する”、“グラフにする”というExcel作業を、もっとスムーズにしてくれるのがPythonです。
そして一度覚えてしまえば、「考えること」に頭を使えるようになる。作業に追われる日々から解放されます。
ちょっとここでTechAcademyを紹介させてください|文系×若手にとっての「最短ルート」
私は最初、完全に独学でPythonを学びました。
でも、正直「このコードなんで動いてるの?」という疑問を放置しながら進めていたため、応用や実務に活かすのに時間がかかりました。
そんな時、後輩がTechAcademyを使っていて、たった2ヶ月でレポート自動化レベルまで到達したのを見て、衝撃を受けたんです。
TechAcademyの“文系向き”ポイント
- 講師は全員、現役のプロエンジニア
- 専属のメンターがマンツーマンサポート
- オンライン完結、ライフスタイルに合わせてOK
- 副業案件の紹介までしてくれるコースもある
- 初心者が9割。チャットでいつでも質問可
つまり、「非エンジニアでも、実務で活かせるスキルを、最短距離で学べる」というのが最大の魅力。
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本気で「スキルを武器にしたい」と思っているなら、まずは無料でプロに相談してみるのが最も手堅い選択肢です。
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特に、「データ分析」を強みにしたい就活生は、学生期間中の隙間時間で”実践で役立つデータ分析”を習得しておくと、就活で無双できます。
まとめ|「分析できる人」から「戦略を語れる人」へ
データ分析は、単なるスキルではありません。“思考の解像度”を高め、ビジネスの意思決定に影響を与える力です。
就活生であれば、それは**「差がつくガクチカ」になり、若手ビジネスマンであれば「周囲から信頼される視点」**になります。
最後に:読んでくれたあなたへ
ここまで読んでくださった方は、きっと「変わりたい」と思っているはずです。
文系でも未経験でも、Pythonはあなたの武器になります。
そして、「Excelだけの世界」から飛び出した先に、あなたの市場価値は広がっています。
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